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1日に摂取できるタンパク質の量はどれくらいでしょうか?これは疑問に思って当然で、詳細にお答えします。
目標やライフスタイルによって、推奨されるタンパク質の摂取量は異なります。ただし、適切なバランスを見つけることが重要で、過剰なタンパク質摂取によって体調不良を引き起こすことがないよう注意する必要があります。それでは、1日にどれくらいのタンパク質を摂取すればよいのでしょうか?これについてにお答えします。
1日に必要なタンパク質量
ANSES(フランス食品環境労働衛生安全庁)によると、60歳未満の成人には、1日に体重1kgあたり0.83〜2.2gのタンパク質が理想的とされています。タンパク質の摂取量は、総エネルギー摂取量の10〜27%を占めるべきです。このデータは、一般的な生活と平均的な活動レベルに基づいています。筋肉の増量を目的とする場合、1日に摂取するタンパク質の量はこれより多くなります。
食事ごとのタンパク質量
「1食あたり30gのタンパク質を超えて摂取するべきではない」とよく言われます。なぜならそれ以上摂取しても筋肉の反応は頭打ちになるからです。
しかし、実際には食事ごとにどれくらいのタンパク質を摂取すればよいのでしょうか?
新しい研究により、より精密な測定技術が開発され、これまでの知見に新たな光が当てられています。(1)
筋肉の成長:二面性のメカニズム
筋肉のサイズは、二つのプロセスによって決まります。ひとつは同化作用(新しい筋肉組織の合成)、もうひとつは異化作用(既存の筋肉組織の破壊)です。
確かに、筋肉のアナボリズムの効果は、食事ごとにおおよそ30gのタンパク質で頭打ちになることが示されています。しかし新しい科学的発見によれば、カタボリズムの抑制効果は、タンパク質摂取量の増加によっても頭打ちにはなりません。(2)
つまり、タンパク質を多く摂取するほど、筋肉のカタボリズムを減少させることが期待できます。
タンパク質摂取による成長の管理
1回の食事で摂取すべきタンパク質の最適量を決めるには、タンパク質の合成(同化)速度のみに着目すべきではありません。
重要なのは、同化作用(新しい筋肉組織の合成)と異化作用(既存の筋肉組織の破壊)の比率です。同化作用が一定でも、異化作用が弱くなればなるほど、筋肉は早く成長すると考えらているため、タンパク質の摂取量を計算する際には、いくつかの要素を考慮する必要があります。
これらの要素を考慮すると、推奨されるタンパク質摂取量は個々のプロフィールによって異なります。一般的には、体重1kgあたり1.5〜2.5gのタンパク質を摂取することが推奨されています。タンパク質は乳製品や肉に多く含まれていますが、必要なタンパク質量を摂取するためには、時にかなりの食事量となることがあります。(例えば、100gの鶏肉には約20gのタンパク質が含まれる)Nutrimuscleはプロテインパウダーを摂取することで、身体に良くない脂肪を取り入れる事を制限しつつ、必要タンパク質量の摂取を達成することをお勧めします。
1食あたりのタンパク質は、カロリー摂取量の15%を占めるのがよいでしょう。そして目標を達成するためには、必要なカロリー量を把握することが重要です。マクロ栄養素の必要量を計算する方法については、専用の記事をご参照ください。
結論:食事ごとのタンパク質の最大摂取量
1食あたり30gのタンパク質では最適な成長を得るには不十分です。特に同化作用が活発な朝食やトレーニング後にタンパク質の摂取を増やすことが推奨されます。体重1kgあたり2.5gのタンパク質を摂取し、スポーツのニーズに応じて増やすと良いでしょう。
ただし、体重1kgあたり5gを超えるタンパク質摂取は健康に害を及ぼす可能性があります。さらに、タンパク質が消化系に酸性を引き起こすため、十分な水分補給が重要です。
参考文献
(1) Tuvdendorj D. A novel stable isotope tracer method to measure muscle protein fractional breakdown rate during a physiological non-steady-state condition. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2013 Mar 15;304(6):E623-30.
(2) Deutz NE. Is there a maximal anabolic response to protein intake with a meal? Clin Nutr. 2013 Apr;32(2):309-13.