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クレアチンは、多くのアスリートやトレーニーに支持されている人気の栄養成分です。
「筋力を維持したい」「集中力を保ちたい」「トレーニングの回復を高めたい」といったニーズに対し、さまざまな研究が進められていることから注目されています。
本記事では、クレアチンに関する最新の知見をもとに、わかりやすく解説します。
クレアチンとは?
クレアチンはアミノ酸由来の化合物で、体内では主に筋肉や脳に存在しています。食品では肉や魚に含まれており、日常的な食事からも摂取可能です。
一部のスポーツ機関では過去に規制されていた時期もありましたが、現在では禁止物質ではなく、一般的にサプリメントとして安全に利用されています。
クレアチンに期待される主な働き
筋力・パフォーマンスのサポート
クレアチンは、筋肉内でエネルギー産生に関わる物質「ATP (アデノシン三リン酸)」の再合成をサポートするとされています。
特に短時間で高強度な運動において、瞬発的なパフォーマンスの維持に寄与する可能性が報告されています【※1】。
一部の研究では、クレアチン補給により筋力や筋肉量がプラセボ群に比べて増加した例もあり、筋トレ時の栄養補助として注目されています。
ただし、すべての人に同様の結果が得られるわけではありません。
認知機能・集中力の維持
最近では、クレアチンが脳のエネルギー代謝を支える可能性にも注目が集まっています。
ある研究では、クレアチンの摂取によって脳内のクレアチン濃度が増加し、学習や集中力へのポジティブな影響が観察されたと報告されています【※2】。
学生やデスクワーカーの間でも、思考の明瞭さや集中状態の維持をサポートする成分として紹介されることがあります。
トレーニング後のリカバリー支援
クレアチンには、筋肉中のグリコーゲンの再合成を助けたり、フリーラジカルから細胞を保護する抗酸化的な作用があるとする研究も存在します。
これにより、トレーニング後の疲労回復やリカバリーの支援が期待されています【※3】。
また、筋分解の抑制や炎症への対処といった、ハードな運動後の体づくりをサポートする可能性が指摘されています。
健康維持に関する研究の紹介
加齢にともなう筋力や脳機能の低下に関しても、クレアチンとの関連を探る研究が進められています。
一部では、神経の健康維持やエネルギー代謝の効率化を通じた、生活の質向上への貢献の可能性が議論されています。
ただし、これらの内容はあくまでも研究紹介レベルのものであり、疾病の予防や治療を目的としたものではありません。
副作用・安全性について
クレアチンは体内にも自然に存在する成分であり、一般的に安全性が高いとされています。
通常の範囲(1日3〜5g程度)の摂取において、深刻な副作用が報告されるケースは少ないと考えられています【※1】。
ただし、体質や体調によっては、腹部の不快感や軽い下痢などを感じる場合もあるため、初めての方は少量からのスタートや、医師・専門家への相談が推奨されます。
まとめ
クレアチンは、筋力サポート・集中力の維持・リカバリー支援など、日々のパフォーマンスを高めたい方に注目されている成分です。
食品としても摂取できますが、運動量や目的に応じて、サプリメントという形で取り入れる方も増えています。
ただし、効果の感じ方には個人差があり、栄養補助の一環として、無理のない範囲で利用することが大切です。
参考文献
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Kreider, R. B., et al. (2017). International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 14(1), 18. https://doi.org/10.1186/s12970-017-0173-z
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Avgerinos, K. I., et al. (2018). Effects of creatine supplementation on cognitive function of healthy individuals: A systematic review of randomized controlled trials. Experimental Gerontology, 108, 166–173. https://doi.org/10.1016/j.exger.2018.04.006
- Lawler, J. M., et al. (2002). Direct antioxidant properties of creatine. Biochemical and Biophysical Research Communications, 290(1), 47–52. https://doi.org/10.1006/bbrc.2001.6164